[Job_Description]

IIJエンジニアリングの仕事

AIチャットボット
導入プロジェクト

プロジェクトストーリー

PROJECT STORY

IIJグループ初
AIチャットボット導入プロジェクト

IIJは法人向けのITサービスのみならず、格安SIMや最新スマートフォン、インターネット接続サービスをトータルに提供する「IIJmio」を展開しています。この「IIJmio」のサポートセンターを運営しているのがIIJエンジニアリングです。近年、利用されるお客様の増加とともにお問い合わせも増加。サポートセンターへの負荷の増大が課題となっていました。そこで2020年に、IIJエンジニアリングの社員の提案でAIチャットボットの導入プロジェクトがスタート。AIチャットボットを導入することでどう変わったのか?裏側ではどのようなことが行われているのか?プロジェクトメンバーに語ってもらいました。

MEMBER

  • K.S

    2009年入社(中途・キャリア)

    サービスマネジメント

    K.S

  • M.S

    2023年入社(新卒)

    エントリー職

    M.S

Theme 01

プロジェクト発足の経緯とその後の流れを教えてください。

K.S

IIJが提供する「IIJmio」のサポートセンターを当社が運営しているのですが、お問い合わせの数は非常に多く、スマートフォンの購入手続きや初期設定の方法、SIMが使えない場合の対処など、内容も多岐にわたります。お客様が増える一方で、サポートセンターの負荷が重くなっていることが課題となっていました。

特に、サポート時間外に送られてくるお問い合わせメールの数が多く、サポートセンターのスタッフは夜間にたまったメールの対応に追われ、日中の電話やメールに対応しきれないという状況でした。

そこで私と上司が考えた対策がAIチャットボットの導入です。自動で回答するチャットボットなら、人的な負担の大幅な軽減が見込めます。しかし、2020年当時はAIチャットボットが普及しておらず、IIJグループでの導入事例もまだありません。導入効果を検討することは難しい状況ではありましたが、私たちは24時間お問い合わせの回答ができることでのサポートセンターの負担軽減のメリットを上層部へ提案し、プロジェクトのゴーサインが出た、というのが本プロジェクトの経緯になります。

また、AIチャットボットの導入後、更新が滞り立ちだったお客様からのよくあるご質問に答えるFAQコンテンツのリニューアルについてもAIチャットボットで運用成果が認められてゴーサインが出ました。

プロジェクト発足の経緯とその後の流れを教えてください。

M.S

AIチャットボット導入時には、私はまだ入社していなかったのですが、導入後の2023年から私もこのプロジェクトに加わりました。

K.S

M.Sさんが参加されたのは運用フェーズでしたね。このプロジェクトは導入フェーズと運用フェーズの二つに分けることができ、運用フェーズは現在も続いています。導入フェーズでは私と上司がシステムベンダーとともに開発し、運用フェーズではチームメンバーとAIチャットボットに改良を加えながらFAQコンテンツのリニューアルを行っています。運用ではどんなことをしているのか、紹介してもらえますか?

M.S

運用では、AIチャットボットの「トレーニング」を行っています。よくある質問と回答を文章化した「会話カード」をAIチャットボットに入力し、お客様の質問にうまく答えられるよう育てています。具体的な流れとしては、まず、AIチャットボットに寄せられるお問い合わせのうち、うまく回答できなかったものを抽出。そして、その質問文と適切な回答文をセットで入力し、次に同様の質問が来たときには適切に応えられるようにするわけです。
また、AIチャットボットの回答と整合性を持たせるために、FAQコンテンツの更新も行っています。

K.S

私も導入時に一人でこなしていたのでわかりますが、AIチャットボットのトレーニングは様々な文章パターンを考えなければならないので、なかなか頭を使う作業なんです。

プロジェクト発足の経緯とその後の流れを教えてください。
プロジェクト発足の経緯とその後の流れを教えてください。 プロジェクト発足の経緯とその後の流れを教えてください。

Theme 02

プロジェクトではどのような課題がありましたか?

K.K

導入フェーズは、私がリーダーとしてプロジェクト管理を務めました。とはいえ、立ち上げ当初は私と上司だけ。一部他部署からPMO(プロジェクトの支援を行う部署)の立場での応援はありつつも、システムの要件定義や、システム開発を担うシステムベンダーへのディレクション、システムへのフィードバックなど、開発の上流から下流まですべてを担当することになりました。

課題となったのは、AIチャットボットの仕組みについて社内に知見がなかったこと。私自身、システム開発に携わることは経験も浅く不慣れでした。そこで私はシステムベンダーとの打ち合わせを緻密に行い、AIチャットボットの知見を習得。要件定義もベンダーと一緒に試行錯誤しました。ありがたいことにベンダーがとても協力的だったので、3カ月程度の開発期間を経てAIチャットボットを導入することができました。

その他に、大変だったのは社内での合意形成です。導入の前例がないだけに、多くの人と何度も意見交換し、単純な費用対効果だけではなく、今後のサポートの方向性を議論することで、徐々に信頼を獲得していくことができました。IIJグループは歴史ある大企業であると同時に、ネット黎明期から新技術に挑み続けてきた技術者集団でもあります。課題解決に役立つ技術であれば積極的に取り入れる社風を、改めて実感することができました。
運用フェーズにおける課題はどうですか?

プロジェクトではどのような課題がありましたか?

H.H

運用フェーズでは、やはりAIチャットボットのトレーニングが課題です。同じ質問内容でも、お客様によってどのような文章を書くかは異なります。丁寧な文章を書く人もいれば、砕けた表現で書く人もいます。文法的に少し間違っていることや、変換ミスがある場合も珍しくありません。それに、AIチャットボットから正しい回答が得られないときは、何度も修正を加える必要があります。

ただ、「お客様が知りたい情報は何だろう?そのためにどんな質問をするだろう?」と想像しながら会話カードをつくることは大変な作業ですが、文学部出身で文章が好きな私にとって非常に面白い仕事でもあります。

プロジェクトではどのような課題がありましたか?

Theme 03

AIチャットボットの導入後の反響と、その後の展開について教えてください。

K.S

AIチャットボットをお問い合わせページに導入してから半年後には実用レベルに達し、2021年からはIIJmioのサイトの様々なページに設置していただけるようになりました。今も新しいページができるたびにAIチャットボットを設置いただいています。
反響で言うと、お客様からのAIチャットボットに対してのフィードバックもありますよね?

M.S

はい。お客様からAIチャットボットに対して「いいね」「悪いね」の評価をいただけるのですが、「トレーニング」の成果が出たときには「やった!」と嬉しくなります。逆に、うまくいかなかったときには「次にはうまくやろう」と闘志がわきますね。

FSC-EV立ち上げ後の反響と、その後の展開について教えてください。

K.S

M.Sさんをはじめチームの頑張りのおかげで、AIチャットボットの精度は急速に高まり、対応満足度も徐々に上がってきています。おかげでサポートセンターに届くメールは激減し、AIチャットボット導入前と比べると3分の1から2分の1程度に減りました。想定以上にサポートセンターの負荷軽減につながり、センター運用のコストパフォーマンスも高まりました。
また、社内では「社員発・新規プロジェクト」の成功事例として評価されたのも嬉しいですね。

FSC-EV立ち上げ後の反響と、その後の展開について教えてください。

Theme 04

このプロジェクトを通して身についた技術や教訓はどのようなものですか?

K.S

リーダーとして新しいプロジェクトを立ち上げ、チャレンジできていると感じられたことが、このプロジェクトで得た最も大きな喜びです。導入前はもちろん、運用フェーズに入った今も、運用効果を分析して次の企画を立てることにやりがいを感じています。

社内外の多くの人と折衝し、プロジェクト推進・管理能力を高められたことも貴重な収穫でした。最近はこれに加えて、マネジメントのやりがいも強く感じています。研修やOJTを通じて教育したメンバーが成長し、成果を出して他の誰かに評価されているのを見ると、リーダーとして素直に嬉しいですね。

このプロジェクトを通して身についた技術や教訓はどのようなものですか?

M.S

ITの知識を持たずに入社した私をこの部署に勧誘し、育ててくださったのはK.Sさんです。まさか大学の日本文学研究で培った文章力が活かせる場があるとは思わなかったので、本当に幸運だったと思います。この点は、たくさんの職種があるIIJエンジニアリングならではの魅力ですね。

配属後もK.Sさんからは「文系社員だからこそ、一般ユーザーの目線を活かして意見を出してほしい」と言われていて、実際に何でも気兼ねなく発言できています。今はまだまだ未熟ですが、これからもフレッシュな感覚を忘れることなく、サポートセンターやAIチャットボットの知識を学びながら、サービスの改善に貢献したいです。

このプロジェクトを通して身についた技術や教訓はどのようなものですか?

K.S

今後はAIチャットボットを別の部署で導入したり、当社のアウトソーシングサービスの一つとして広くお客様に提供したりと、幅広い展開が考えられるでしょう。

また、AIチャットボットとFAQにとどまらず、新しい技術・サービスも積極的に取り入れていきたいです。特に、ChatGPTをはじめ目覚ましい進化を遂げるAI関連技術は要注目です。とはいえ、私たちが目指すのは技術自体ではなく、あくまでお客様から評価されるサービスを築くこと。人間と技術の融合を忘れることなく、サービスのアップデートに取り組んでいければと考えています。

このプロジェクトを通して身についた技術や教訓はどのようなものですか? このプロジェクトを通して身についた技術や教訓はどのようなものですか?

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